つまらない健康おやじ
ふと気がついたらゴールデンウイークとやらの真っ盛り。またまた長いさぼりであった。ほぼ週一のペースで更新するといっていたのに、かくもあっさりと裏切ってしまうなんて、ま、私らしくていいではないか。
わずか1カ月ほどのさぼりだったので、私自身の暮らし、日常にさしたる変化はない。それどころか、馬鹿馬鹿しくなるほどのルゥーティン。なんら変わったことのない、面白くもおかしくもない毎日が続いている。
テレビを見て、映画を観て、寝転がって本を読んで。
目の前の森戸海岸を、プゥーリーとドゥージーを連れて端から端まで歩き。
1日おきの昼は、未紗のホームに歩いて行って、食堂ではなく未紗の部屋で向き合ってランチ。
そうでない日には夕方に出かけていって、6時の夕食時に1階の食堂まで未紗を連れて降り、スタッフにあとを頼んで帰る。早く帰らないと2匹が寂しがる。
寂しがるというのは、こちらの希望的観測であって、私が出かけるときは、行かないでくれ、連れていけ、と大騒ぎするくせに、忘れ物を思い出して2分後に戻ってみると、2匹はもうベッドの上で寝ているということが何度もあった。ちょっとがっかりだ。
未紗と一緒のランチだが、さすが外食専門会社の運営。ホームでの食事とは思えないほどのもの。いささか薄味すぎる気もするが、入居者たちのことを考えるとそうなるのだろう。
そんなランチを食べながらうっかり、
「食事らしい食事はここでのランチだけだな」
口走ってしまったら、未紗がきっとなっていった。
「いつも何を食べてるの。ちゃんと食べなければだめじゃない」
ろくなものを食べずに酒ばかり、と感じたらしいが、そんなことはありませんよ。ディナーとか晩御飯とかいえるものではないが、栄養的にも量的にも、歳の割にはしっかりしたものを食べている。
かなりお高い肉を買ってきて、大量のカット野菜と一緒にタジン鍋で蒸し煮にし、黒酢、ポン酢、焼き肉のたれなどで食す。そんなもので充分ではないか。
かつての自称グルメ、おやじシェフとしてはかなり寂しい気もするが、ほかにも2匹のために、鶏のもも肉や牛の赤身を茹でたりしなければならないので、料理に凝ってもいられない。
魚がないではないか、といわれそうだが、青魚のエキスのサプリメントもしっかり摂っているので、これもノープロブレムだ。
と、ここまで書いてきて改めて気がつく。
未紗のホームでのランチを除いて、外食がほとんど、というか全くない。
気取った住宅街だったゴヨーテーと違って、各種の外食屋さんがピンキリに揃っているところに来て、かえって外で食べなくなったのだ。
ひとりで、あまり親しくもない店で食べても仕方がないし、特に酒など飲んで、店のひとや隣の客とおしゃべりしてもつまらない。
こう考えてどんどん内向きになってくる私は、ひと付き合いの嫌いな偏屈爺さんになってきたのかもしれない。
いや、そうではないのです。これには深いわけがある。
ここしばらく、私の酒の飲み方が変わってきた。
それまでは毎晩、とりあえずビールから始まってワイン、焼酎、サキ、とえんえん続いていたのが、いまではだいたいビールだけ。それもいままでのイタリアンビールだ、ハートランドだ、プレミアムだ、をやめて、ビールというより第3のビール。サッポロが出している極ZEROというやつ。糖質ゼロにプリン体ゼロで、こんなの世界初だ、とうたっている健康ビール(?)。これ専門。
この代用ビール、思ったほどまずくない。というよりなかなかイケる。
どうしてこうなったか。もうお分かりでしょう。
身体に気を遣っているんですよ。
このおかげで、ついしばらく前にはヤバかった血糖値や血圧がみるみる下がってきていまでは標準値をクリアするほどにもなった。
問題は、いくらゼロのゼロだといっても4パーセントはアルコールなので、私のように毎晩ロング缶6本も7本も飲んでいては肝臓がやられてしまうのではないか。
いやいやそこも大丈夫。青魚エキスのことは書いたが、ほかにシジミの濃厚エキスのカプセルを、日に2粒をめどにというから4粒。ウコンエキスは日に8錠というから15錠。さらにはコンドロイチン、これは関係ないか。ともかく肝臓のフォローはしっかりしている。
“持病”の二日酔いも、このところ影を潜めている。
だから私は大丈夫。
なぜこうしてバラエティなし。面白くもなし、の日々に変わったか。
身体に気を遣っている、とはもう書いたからいい換えよう。
いま死んだら困るから、だ。
誰が困るか。未紗が困る。プーリーとドゥージーが困る。
このところ流行りだといわれている“孤独死”だと、もっと困る。
だから、あとしばらく、少なくとも2、3年は、面白くなくても、身体を大切に生きていなければならないのだ。
孤独死。これは他人ごとではない。この話は次回。