MADAMA BUTTERFLY
『マダム・バタフライ』『蝶々夫人』は、世界中のオペラハウスでいちばんたくさん観たオペラではないだろうか。
17歳の武士の娘のはずの蝶々さんが、どう見ても大ベテラン芸者にしか見えなかったり、
侍女
スズキの舞台を覆いつぶすほどの巨体にびっくりさせられたり、集まる芸者たちの衣装が左前だったり、といろいろな出来事もあったが、大体において安心して見られるオペラではあった。 
それはやはりプッチーニの力であったろう。
日本人のわれわれが見ても、そして日本の話であるにもかかわらず、全編に流れるエキゾチシズム。
子供を残して自らの命を絶つ蝶々さんの、日本人として、女としてのプライドの高さ、けだかさ。
メトロポリタンも、バスティーユも、スカラ座もよかったが、ニューヨークの街角の、
5人も上がれば舞台がいっぱいになる小さなオペラハウス、
アマトオペラの『マダム・バタフライ』が、私には最高だった。
泣かされた。

